なんだかここのところ、若い頃からずっと敬愛する「山下達郎」さんの作品を、改めて聴き直しています。年に数回、これといった理由もなく、そんな「達郎を集中して聴くぞ」といった「Big Wave」が押し寄せる機会があるんですね。そう、「ビートルズ」の作品を1曲聴いた途端に、もうエンドレスになってしまう現象に似ていると言えましょうか、本当に不思議な感覚です。
多くの国内外のミュージシャンや音楽家たちがそうであるように、本当に国宝級のアーティストとして、僕も当然この方のことを心の底よりリスペクトしています。達郎さんが活躍した、同じ時代に生きたこと自体を誇りに思うくらいです。
達郎さんの作品は時代と共に作風も少しずつ変化しているのは、当ブログをご訪問くださる方々であれば、皆さんご承知の通り。
そんな達郎さんが雑誌『BRUTUS』の最新刊で、『山下達郎のBrutus Songbook』と銘打って、「最高の音楽との出会い方」についての、それはもう膨大な(とはいっても、一部なのでしょうが)氏の持つ音楽の歴史・知識と愛情を注ぎ込んだ、それはもの凄い特集となっています。日曜日が毎週お休みできる方であれば、決して聴き逃すことは許されない「TOKYO FM」の老舗音楽番組『山下達郎のサンデー・ソング・ブック』の、放送25周年を記念した、雑誌『BRUTUS』とのコラボ企画であり、番組関係者や山下氏周辺のアーティストへのインタビュー等々、もう盛り沢山の内容です。「達郎」ファンの皆様、どうぞ売り切れる前になんとか入手してください。他では絶対見ることのできない「年表」やら「アーティスト相関図」など、編集スタッフの渾身の記事の数々も、それはもう一見・一読の価値ありです。
そんなわけで、ちょっとお疲れ気味の今晩は、1980年にリリースされ達郎さんの人気と評価を不動のものとした名作アルバム『RIDE ON TIME』に収録され、7作目のシングルとなった『MY SUGAR BABE』(マイ・シュガー・ベイブ)を聴きながら、ゆったりとしたいと思います。作詞作曲共に達郎さんによる楽曲で、この作品をいたく気に入った故人の「勝新太郎」さんが、自身が主演する刑事ドラマの主題歌としたことでも、当時たいへん話題となりました。リリースから40年近くが経過しますが、いまだに国内アーティストでこれほどの円熟した「Mellowness」を表現できるアーティストは、なかなか見つけることはできません。
Tatsuro Yamashita – “My Sugar Babe”
(album: RIDE ON TIME – 1980)
本作品への参加ミュージシャンの面々も腕の立つ超一流の方ばかりで、納得のサウンドです。当ブログにも時折ご訪問いただいている、パーカッション奏者の「斉藤ノヴ」さんの、控えめながらもソウルフルで男の色気を感じさせる演奏にも、要注目です。
Recording Members:
山下達郎 : Electric Guitar (Right), Glocken & Background Vocals
青山純 : Drums
伊藤広規 : Bass
椎名和夫 : Electric Guitar (Left)
笛吹利明 : Acoustic Guitar
難波弘之 : Keyboards
斉藤ノブ : Percussion