今日は久しぶりのお湿りかと思えば、やはり近畿・東海・関東甲信越地方までの広範囲な「梅雨入り」の速報が、気象庁より発表されていました。いよいよ今年の本格的な「雨の季節」の始まりです。
昨年プランターから地植えに移した我が家の庭の「紫陽花」も、かなり小振りですが、ようやく青い花を咲かせました。「モミジ」の隣で咲いている姿はなんだかとても愛おしく、この国特有の季節からの「GIFT」だと、そう感じることがよくあります。
毎年のように綴っていますが、この「雨の季節」というのは、唯一湿気を除けば、僕自身にとっては決して嫌いな季節ではありません。5月の声を聞く頃から少しばかり距離を感じ始める「温かい珈琲」も、「梅雨寒」などがあるこの時期には、とても有り難いご馳走だったりします。
せっかく始まった「雨の季節」なので、だいたいこの時期は例年そうですが、「雨」「Rain」にまつわる音楽を不定期に取り上げていくつもりです。
以前から度々申し上げているように、R&BやJAZZをはじめとする「Black Music」の世界では、「雨」との親和性がとても強く、それをテーマにした作品を、世界中で日頃目にする機会も少なくありません。
日本が世界に誇る「R&B」シンガー・ソングライターの「久保田利伸」氏は、そんな傾向が人一倍強いアーティストとして知られています。その辺りのことについては、音楽プロデューサーの「松尾潔」さんがよくラジオなどで語られていますね。
実店舗の「cafe Mellows」の準備段階の時期の2010年にスタートしたこのブログですが、久保田氏が永年こだわってきた「雨」にまつわる「Love Song」を中心とした、究極のLOVE SONGアルバム『LOVE&RAIN~LOVE SONGS~』がリリースされたのが、同年2010年11月末でした。今にして思えば、久保田氏のこのアルバムはもちろん、そして今回取り上げる『LOVE RAIN~恋の雨~(松尾潔リミックス)』との出逢いは、まさに偶然であり必然だったのかもしれません。
もう8年近く前になりますが、ちょうどその頃「退社/独立」に向けた準備でとても慌しくしていた僕は、12月の第一週に入った時点で、有給休暇消化を兼ねて、クルマの一人旅で「京都」へ向う道中にありました。普段からTVを見る習慣がないものの、松尾さんのラジオ番組『松尾潔のメロウな夜』だけはちゃんと毎週録音して時間のあるときに欠かさず聴いてましたので、数日前の放送に久保田氏がゲストで出演されNew Album『LOVE&RAIN~LOVE SONGS~』の紹介をしていた内容を聴きながら、深夜の東名高速をゆったりとしたスピードで流していました。ちょうど名古屋に差し掛かる辺りでクルマのスピーカーから聴こえてきた『LOVE RAIN~恋の雨~(松尾潔リミックス)』は、とても新鮮かつ回顧的なアレンジが施されており、その当時のあらゆるしがらみから開放された自分自身の心境もあってか、ドラマの主題歌で先行シングル発売されていたオリジナルVer.よりも、なんとも「腑に落ちる」印象を受けたのを、今でも鮮明に思い出すことができます。(この時のエピソードについては、以前に松尾さんの番組の中で取り上げて頂きました。)
オリジナルVer.が収録されているにも拘らず、わざわざ久保田氏がアルバムの1stトラックに本REMIX作品を据えたのも、きっと同様に感じたからなのでしょう。「優れた原曲があってこそ」の大前提とはいえ、ドラム・ベースの効いたリズム・トラック/女性コーラス/ピアノ/フルートのリフとソロ等々、各々の効果が絶妙なバランスで成立しているのが特徴的で、作品をプロデュースする際、元々音楽ライターであるが故に、常に「聴き手」である「リスナー目線」を決して忘れない松尾さんの仕事振りには、いつも感心させられっ放しです。
久保田 利伸 – LOVE RAIN ~恋の雨~(松尾潔remix)
(album: 『LOVE&RAIN~LOVE SONGS~』- 2010)
久保田利伸 『LOVE RAIN~恋の雨~』
(Single/original Ver.)
『LOVE&RAIN~LOVE SONGS~』では、久保田氏本人による作品のみならず、Yuming (荒井由実)の名曲「朝陽の中で微笑んで」や、SWV「RAIN」のカヴァー等も収録されており、KUBOTAファンは必聴盤ですよ。
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久保田 利伸
(album: 『LOVE&RAIN~LOVE SONGS~』- 2010)