今日は文字通りの「猛暑日」でした。今日からお盆休みという方も多いことでしょうが、皆様どうか水分補給はこまめにお願いいたします。
ジョージ・デュークの急な訃報で一旦中断いたしましたが、Rod Temperton(ロッド・テンパートン)が彼の全盛期に関ったかつての Mellow な作品を取り上げご紹介している、夏の特別企画の第五夜ですが、まだまだご紹介したい作品も多数あるのですが、同じアーティストの作品ばかり取り上げているわけにもいきませんので、今回を最終回といたします。
これまでのラインナップでは、巨匠クインシー・ジョーンズがプロデュースし、作曲・編曲をロッド・テンパートンが担当するコラボレーション作品を取り上げてきましたが、1982年のマイケル・ジャクソンのモンスター・アルバム『スリラー』の大成功後、徐々にクインシーから少し距離を置きながら、ロッド・テンパートンは新たなアーティストへの楽曲の提供を続けていきました。
“MYSTERY” – The Manhattan Transfer
(album: Bodies And Souls – 1983)
Producer: Richard Rudolph / The Manhattan Transfer
Composer: Rod Temperton
彼の手掛けた作品の中でも、僕個人としては、マイケル・ジャクソンの『Rock With You』と同じくらい好きなのが、80~90年代に大変な人気を博したそれはそれは大人の4人組のヴォーカル・グループ『The Manhattan Transfer』が1983年にリリースして大変なセールスを記録したアルバム『Bodies And Souls』に収録された、“Mystery” という作品です。この曲が収録されたアルバムは、捨て曲のない非常にバランスの取れた作品であったため、後にグラミーを獲得しています。また素晴らしくメロウな作品 “Mystery” は、この数年後にQuiet Storm(クワイエット・ストーム)と呼ばれる大人向けのアーバン・ソウルあるいはジャズのテイストの香るカテゴリーの代表的な女性アーティストとして大ブレイクする、 Anita Baker (アニタ・ベイカー) の代表作『Rapture』にもカヴァー収録され、周囲に楽曲の出来の良さを再認識させることとなります。
“Mystery” – Anita Baker
(album: Rapture – 1997)
Executive Producer: Anita Baker
Producer: Michael J. Powell
Composed by: Rod Temperton
余談となりますが、ロッド・テンパートンはその他、79~80年にかけてレコーディングされたカーペンターズのカレンのソロアルバムのために、彼女の生存時に2曲ほど楽曲を提供しており、カレンの没後に発表されたアルバムにも、素敵な作品が収録されています。あの偉大な作曲家のバート・バカラックを手元に擁していたカーペンターズでさえ、ロッド・テンパートンの作品を歌いたかったということですから、いかにその時代に必要とされた優れたメロディ・メイカーであったかを証明しています。
個人的には、10歳の頃に出逢ったカレンの声に導かれて洋楽の世界に足を踏み入れた僕にとっても、ロッド・テンパートンが関わった本作には、なんだかとても惹かれるものがあります。この作品、ご存知の方もそうでない方も、ぜひ聴いてみてください。
Karen Carpenter / “If We Try”
(album: Karen Carpenter – 1996)
Producer: Phil Ramone
Associated Performer, Recording Arranger: Rod Temperton
Composer Lyricist: Rod Temperton
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The Manhattan Transfer
(album: Bodies And Souls – 1983)
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Anita Baker
(album: Rapture – 1997)
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Karen Carpenter
(album: Karen Carpenter – 1996)