お天気よくないですね。台風も接近中ですから、皆さん十分にお気をつけください。
さて前回は、80年代に大活躍した KASHIF(カシーフ)を取り上げましたが、chic & mellow 編の第6弾となる今回は、彼がプロデュースした作品をちょっとご紹介しましょうか。
1960年生まれの Evelyn “Champagne” King(イヴリン・キング)は、僕とほぼ同世代のシンガーです。1980年代前半の世界的な Disco Music のムーブメントがピークだった頃に、NYで当時最先端の音作りをしてメキメキと頭角を現しつつあった KASHIF のトータルプロデュースを受け1982年にリリースされたのが、泣く子も黙るアルバム『Get Loose』でした。時代的な背景もあり、彼女の作品の中では最もセールスを記録した非常にバランスの取れた、KASHIF の狙い通りのハイ・クォリティなアルバムという印象でした。もっとも本作には、前々回のメリッサ・モーガンの記事でも取り上げた「Hush Productions (ハッシュ・プロダクション)」の実力者 Paul Lawrence らもアルバム・クレジットに名を連ねており、まさに「怒涛」という表現が適切なほどの勢いが彼らにはありました。
そんなアルバムより、ちょっと romantic & mellow な一曲『I’m Just Warmin’ Up』をどうぞ。
Evelyn ‘Champagne’ King / “I’m Just Warmin’ Up” (album: Get Loose – 1982)
今回記事をUPするにあたり、このアルバムを通しで聴いてみましたが、これが31年も前に製作された事実を考慮すると、いかに KASHIF の時代を先読みする感覚が鋭敏であったかが容易に理解できます。それは、彼自身のアルバムはもとより、彼の関った作品群全般に共通している事実ですね。
上の「I’m Just Warmin’ Up」は彼の作曲ではありませんが、本作中実は最も評価されたのが『Love Come Down』であり『Back to Love』でしたね。彼自身バック・コーラスにも参加している KASHIF の音作りのセンスを感じさせる、本当によい作品だと思います。参考までにこちらでどうぞ。
KASHIFの登場以降、「売れる作品(レコード・CD)はプロデューサー次第」と言われるようになっていき、時代は Super Producers としてその後のブラック・ミュージック界を席巻していくこととなる Jimmy Jam & Terry Lewis や Babyface & L.A.Reid の台頭を歓迎する流れとなっていくのでした。
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Evelyn ‘Champagne’ King
(album: Get Loose – 1982)