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AC Tunes ~ Vol.50 【MONDO GROSSO】

新年度の4月に入って、場所によっては桜も咲き始め、ようやく春の到来といったところでしょうか。今日の夕方には「春雷」がやって来たり、そういう季節になったのだと気付かされます。街角のいたるところで見かける花壇や植込みの生き物たちも、ようやく訪れた「春」を謳歌しているような印象です。

 

 

 

当ブログに来訪されるブログ・リーダーの皆さんであれば、1990年代~2000年代初頭に掛けて精力的な活動を行い、世界的にも広くその才能を認められたプロデューサーでありDJでもある奇才「大沢伸一」氏によるプロジェクト『MONDO GROSSO』(モンド・グロッソ)のことはご存知の方も多いことでしょう。
『MONDO GROSSO』は1991年に彼のホームでもある京都でバンドとして活動を開始し、時を経て1996年には大沢氏本人のソロ・プロジェクトとなりました。「UA」「bird」「Monday 満ちる をはじめ、とりわけ多くの女性シンガーが彼とのコラボによって、メジャーな世界へ羽ばたいていったのは、音楽好きな人々の間ではよく知られている事実です。

アシッド・ジャズやクラブ・ミュージックにカテゴライズされがちなものの、FUNK/R&B/HIP-HOP/JAZZ/BOSSA NOVA/LATINといった多くの要素を包括したその極めて高い大沢氏の音楽性は、日本人の音楽家としては国際的な評価が圧倒的に高いアーティストであります。しかしながら、2003年にリリースしたアルバム「NEXT WAVE」以降、「MONDO GROSSO」としての活動を中止していました。その彼がようやく長い沈黙を破り、2017年の4月に、14年の歳月を経ていよいよ復活するという嬉しいニュースが世界中に配信されています。今年中に発売を予定している、待望のNEWアルバムからの先行シングルとなる新曲『ラビリンス』は、「東京スカパラダイスオーケストラ」の谷中敦作詞、新たな女性ボーカリストをフィーチャーした日本語による歌詞の楽曲となるようです。完全生産限定12inchアナログ盤で「RECORD STORE DAY」の4/22にリリース予定とのこと。数十秒だけの動画がYouTubeに上がってますが、期待させる音作りですね。やっぱりこの人「天才」なんだと思います。

 

 

そんな訳で、更なる飛躍を期待しつつ、2000年にリリースされた『MONDO GROSSO – BEST』より、アルバム中9-10曲目に収録されている2作品をご紹介。フィーチャリングされた女性ヴォーカリスト「Jhelisa」のヴォーカルが素晴らしい『Give Me A Reason』そして『Slow It Downと2曲続けてご堪能ください。
尚、特筆すべきは2曲目の『Slow It Downで、あのQuincy Jones (クインシー・ジョーンズ)が1981年に発表した名盤『THE DUDE』に収録された、『Velas』のイントロ部をサンプリングしており、昨年他界した世界一のハーモニカ吹きとして愛された Toots Thielemans (トゥーツ・シールマンス) による口笛のソロを巧みに取り入れているのが、もはや氏の非凡さを証明しています。『Velas』は元々南米ブラジルの音楽家 Ivan Lins (イヴァン・リンス) の作品であり、彼なりのルーツとなるアーティストたちへのリスペクトとオマージュといえるのではないでしょうか。(この「口笛」の音色に興味を持たれた方は、どうぞこちらの記事もご覧ください)

 


Mondo Grosso – “Give Me A Reason”
 


Mondo Grosso – “Slow It Down”

 

当ブログでも過去に1974 – WAY HOMEという作品を紹介していますが、この記事は当ブログ内でも上位TOP3に入るくらい世界中からアクセスがあり、事実Googleでの曲名によるワード検索でも、僕の書いた記事が今日現在の検索結果1,640万件中、ありがたいことにTOP表示となっています。この記事をUpしてからここ何年もこんな結果なので、「MONDO GROSSO」の音楽がいかに世界中で支持され、また時代が変わっても関心を持たれていることが窺えます。もっともそんな結果も、大沢氏の創り出すこのシンプルな楽曲の完成度の高さと音楽性に尽きるわけですが。復活、期待大です。