9月も中旬に入り、季節はといえば、夏と秋が行ったり来たりして、なんだか忙しい様子です。日中は残暑がきつく感じる日もあるくらいですが、最近よく見上げる空の様子は、やはり秋のものに変化してきています。心なしか、夏のそれよりは「空が高く」見えるもので、しかも「雲」の様子も実に多種多彩で、ぼんやり眺めていて飽きのこない空模様は、やっぱり「秋」のものなんだと、しみじみと感じる今日この頃です。
前回は天に召されて間もない、「Walter Becker」(ウォルター・ベッカー)の訃報に関する記事をUPしました。気がつけばいつの間にか、創始者コンビである「Becker/Fagen」両氏のみが残る二人だけのバンド(ユニット)となって久しかった、『Steely Dan』(スティーリー・ダン)という世界の音楽史上稀有なスーパー・バンドには、かつて多くのミュージシャンが一時的に在籍していたことでも有名です。当ブログでも何度も取り上げてきた、Michael Mcdonald (マイケル・マクドナルド)も、活動後期の「The Doobie Brothers」(ドゥービー・ブラザーズ)のメイン・ヴォーカリストである以前に、初期のスティーリー・ダンに関わったその一人だということは、音楽好きの方であれば皆さんよくご存知の事実。そのマイケルが、このタイミングで9/15になんと「9年振り」の新譜『Wide Open』をリリースすることになるとは、誰もが予想していなかったことでしょう。やはり不思議な縁で、彼らはどこか繋がっているんだろうなと、そんなことをふと思いました。
Michael McDonald – “Wide Open” Trailer
亡くなったウォルターとは年齢が1・2歳しか離れてはいないマイケルは、白人でありながらも黒人アーティストと遜色ない声とセンスを持ち合わせた「Blue-Eyed Soul」の代表格と言われて久しく、現在65歳となった今でも持ち前のソウルフルなヴォーカルはいまだに健在です。
1983年だったと記憶してますが、当時「SUNTORY」がメイン・スポンサーとなって、西海岸を中心に活躍するAOR系の大物アーティスト(BOZ SCCAGS / JOE WALSH)を招いたコンサートで、一緒に来日したマイケルのライブを体験したことがありますが、実にエネルギッシュでなによりその「ソウルフル」な彼特有のヴォーカルに心酔したことをよく覚えています。彼が2003年・2004年と立て続けにリリースした『MOTOWN』『MOTOWN TWO』、そして2008年にリリースの『Soul Speak』といった作品群では、いまではソウル・スタンダードとなった楽曲の数々を、マイケル自身の解釈でレコーディングしており、彼の愛する黒人音楽へのオマージュとリスペクトで満ち溢れた素晴らしい作品となっています。過去記事でも紹介していますが、ぜひとも聴いていただきたい名盤たちです。マイケルにしても、ドナルド・フェイゲンにしても、まだまだ時代を引っ張っていけるだけのパワーを持ち合わせていると思うので、ぜひとも現役を続けて欲しいところです。
Michael McDonald – Find it in Your Heart
(album: Wide Open – 2017)