当ブログ内でずっと継続している【Mellow Tunes】で何度も取り上げようと思っては止めていたアーティストの一人、『Babyface』をこのシリーズでようやく取り上げてみようかと思います。
彼の作品にはあまりにも好きな傾向の楽曲が多すぎて、前出の Steely Dan や Donald Fagen などと同様に、「書き出したらもう筆が止まらない」のと「取り上げてしまうだろう楽曲がとんでもない数に及ぶ」のが恐ろしくて、敢えて避けていたのが本音です。でもせっかく当ブログ上でいろんなシリーズも展開してきたことだし、今後は少しずつでも紹介していけたらよいかと考えています。
Babyface (Kenneth Brian “Babyface” Edmonds)ほどの大物アーティストになると、敢えて「ああでもないこうでもない」とここで説明するのも野暮な気もしますしどうせ長くなってしまうので、詳しくは「ウィキペディア」または「Wikipedia」をご参照いただくのが手っ取り早いかと。
一つ申し上げるとしたら、現在54歳になる彼は、1980年代後半から2000年代初頭にかけて米国のR&B界を文字通り牽引してきた「グラミー受賞暦」など数えられぬほどの Super Producer でありシンガー・ソング・ライターだということ。もちろんそれは、今年2月に発表され大変な話題となっている、かつての盟友 Toni Braxton (トニ・ブラクストン)との共作を聴けばお分かりの通り、いまだに彼の才能は枯渇していないことを再認識されられます。(その作品については、また別の機会に取り上げるといたしましょう。)
Eric Clapton との共演・プロデュースによる『Change The World』で一躍自分の存在を普段ROCKしか聴かないような層にもアピールすることに成功した90年代後半も含め、Babyface はその才能ゆえ作風やスタイルをその後徐々に変化させていきました。古くからのファンである僕から見れば、『この人、理由は分からないけれど行くあてもなく彷徨っている』ようなそんな印象を受けていました。そうこうしているうち2005年になってリリースされたアルバム『Grown & Sexy』は、超一流のメロディ・メイカーである彼本来のスタイルともいえる Sweet な『mellowness』を強く打ち出すことに成功した作品となった印象がありました。アルバム中の1stトラックである『Tonight It’s Goin’ Down』は、そんな彼の真骨頂ともいえる楽曲といえるのではないでしょうか。
BabyFace / “Tonight It’s Goin’ Down” (album: Grown & Sexy – 2005)
このアルバムが彼にとっての「原点回帰」となった印象を持たれた、古くからのコアなファンも多かったことでしょう。
長くなるといけないので、ではまた次回に。