早いもので『Mellow Tunes』シリーズも、この回で80回目となるんですね。とりあえず「ナンバー」付けといてよかったなって感じです。それにしても、よく飽きずにやってるなと自分でも半ば呆れながらも感心している次第です。ちょっとお休みしましょうかね。
さて、前回の『AC Tunes ~ Vol.13』で、60代半ばを過ぎこれまで以上に「プロデューサー」としての円熟度がどんどん増している様子の「David Foster (デイヴィッド・フォスター)」のことを取り上げました。記事を書くにあたり、色々とWEBを駆使して調べていましたら、かなり多くの興味深いアーティストのプロデュースをしていたのに改めて気付かされました。
『SEAL(シール)』という英国出身のソウル系のアーティストをご存知でしょうか。
ブラジル系の父とナイジェリア人の母を持つ彼は、『Kiss From a Rose』という美しい楽曲が映画『バットマン・フォーエヴァー』で採用され、作品が収録されたアルバム「Seal II」は世界的に大きなセールスを記録し、後にグラミーを受賞するに至りました。それ以降はあまり大きな話題となることもなくベスト盤やライブ盤をリリースしたりしていましたが、その彼に「ソウル・クラッシック」を集めたアルバムのプロデュースに協力したのが、何を隠そうその人「デイヴィッド・フォスター」でした。
2008年にリリースされたシールのオリジナル・アルバムとしては6作目となったその名も『SOUL』は、フォスター氏のマジックにより素晴らしい作品となりました。そしてもう一作品を挟んだかたちで2011年にリリースされた期待の第2弾『SOUL 2』は、デイヴィッド・フォスターはもちろんのこと過去にグラミーを共に受賞した盟友トレヴァー・ホーンも参加した贅沢な「Wプロデュース」作品となりました。もともとソウルフルでハスキーなVocalを聴かせてくれる孤高のシンガーといった印象の強い「シール」にとっては、良い面を引き出してくれたとても内容の濃いアルバムとなったことでしょう。
おそらくこんな流れで、デイヴィッド・フォスターは前回取り上げた『Ruben Studdard(ルーベン・スタッタード)』の作品のプロデュースに繋がっていったのかなと、そんな風に想像できますね。
フィリー・ソウル(フィラデルフィア・ソウル)の数ある名曲の中でも、ビリー・ポールの「Me & Mrs.Jones」と並び双璧と言える、それはそれは Mellow で Sweet な「Soul Classic」な作品、メイジャー・ハリスの「Love Won’t Let Me Wait」を歌い上げる「シール」のヴォーカルにはもう降参です。この作品のベスト・カヴァーはやはりルーサー・ヴァンドロスによるものが最高だと個人的には思いますが、シールも素晴らしいの一言です。
僕としてはは2作目の『Soul 2』の方が、選曲もさることながら「シール」自身が実に自然体で「ソウル・クラッシック」を表現しているように感じられて、もう絶対にお薦めです。「聴かなきゃ損」だとまで言っておきます。(笑)
Seal / “Love Won’t Let Me Wait” (album: Soul 2 – 2011)
いやはやカテゴリーを問わず成功に導いてしまう、デイヴィッド・フォスター氏のアイディアとプロデュース振りには驚くばかりです。まだまだ彼の動向から目が離せません。願わくば、「ダリル・ホール」とか「ジョージ・マイケル」による、同様な「ソウル・クラッシック」を集めた作品をどうしても聴いてみたいと思いませんか。
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SEAL
(album: SOUL – 2008)
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SEAL
(album: SOUL 2 – 2011)