Mellow Tunes ~ Vol.191【Ethan Hawke】

季節がぐっと秋めいてきた今日この頃ですが、たぶん5年振りくらいになると思いますが、当サイトも「テーマ」の衣替えをいたしました。

 

 

さてこんな季節になってくると、今は亡き孤高のジャズ・トランぺッターであると同時に魅惑の中性的なヴォーカルを聴かせる「Chet Baker」(チェット・ベイカー)が、聴きたくなってくるもの。今となっては伝説のジャズ・メンの一人である、そんな「チェット・ベイカー」の自伝的な映画『ブルーに生まれついて』(原題: Born to Be Blue)が日本国内で公開されてから、早いものでちょうど2年が経過しました。2015年にカナダ・イギリスとの合作で、ロバート・バドローが監督と脚本を手がけており、米国人俳優の「Ethan Hawke」(イーサン・ホーク)が「チェット・ベイカー」を主演しています。もうすでにDVD等でご覧になられた方も多いことと思います。

一部にフィクションも交えてあることから、熱心なファンや辛口の評論家たちからは、辛辣な評価もあったようですが、監督並びに主演の「イーサン・ホーク」の、本作品に懸ける並々ならぬ情熱とチェットへ向けた愛情には、とても感じ入るものが、少なくとも僕にはありました。それだけに、「イーサン」が体当たりで挑んだ演奏や歌を「チェット」本人と比較する行為は、あまり意味のないことだと思います。最初作品を観たときに、作り手である彼らの「想い」を大切にしてあげたいと、そんな風に感じたのを思い出しました。秋から冬にかけて、振り返りたくなる音楽映画作品です。

 

Track-1: 映画『ブルーに生まれついて』予告編
Track-2: “My Funny Valentine” – Ethan Hawke & David Brade
Track-3: “I’ve Never Been In Love Before” – Ethan Hawke & David Brade

 

トランペットを吹き、そして時には歌も披露する、「チェット」のフォロワーを自称する現代のアーティストも、世界に目を向けるとチラホラ存在はしますが、どうやってもチェットの域にはとても到達できないと再認識してしまうものです。「チェット・ベイカー」という人は、それだけの「唯一無二」の「音楽性」と「カリスマ性」に加え、「狂気」「弱さ」そして「儚さ」までもを同時に兼ね備えていた、稀有なミュージシャンでありアーティストであったのではないでしょうか。

 

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