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今週月曜日(1/20)に開催された、第3回『松尾潔のメロウな夜間授業』〜R&Bの愉しみ〜『ホイットニー・ヒューストンと「クライヴ・デイヴィス」』に出席するため、東京ミッドタウン日比谷の「ビルボードカフェ&ダイニング」へ行ってまいりました。残念ながら12月開催の「第2回~スティーヴィー・ワンダーとモータウン・レコード」編には多忙につき参加できませんでしたので、昨年の11/18に催された初回の公演「ベイビーフェイスと<メロウという名の魔法>」以来、今回で二度目の参加です。
初回と同様に、お集まりになった面々はやはり圧倒的に50代が中心。全講座通しで参加を予定されていらっしゃるような、熱心な「メロ夜リスナー」であり「松尾潔サポーター」の方々で、今回も会場は超満員でした。
3回目にして、もはやこの授業の基本である、アーティストの出自から始まり、今回はすでに故人となっている「ホイットニー」だけに、死に至るまでの彼女の駆け足で過ぎ去った人生とまるで寄り添うかのように、愛情たっぷりな松尾さんのお話が進んでゆきました。松尾さんが言う「光が強いと影も濃い」という言葉の通り、スターとして、また一人のアフリカン・アメリカン女性として、彼女のローラー・コースターのような人生に対する、松尾さん独自の切り口からの考察には、驚きと共に深い共感を覚えました。遺された彼女の楽曲の数々を、授業参加者全員がまるで慈しむかのように聴き入りながら、国内音楽界に於ける松尾氏の現状での立ち位置がかなり近いとも言える、大物プロデューサー「クライヴ・デイヴィス」とホイットニーのデビュー以前の邂逅から、グラミー前夜の死去に至るのまでの、長いようで短かかった彼女の生涯に、深いため息をつかれた方も少なくなかったことでしょう。
途中、ミュージカルで活躍されている「エリアンナ / Eliana」さんが飛び入り参加で、人生でもっとも影響を受けたアーティストの一人だという「ホイットニー」の『Greatest Love Of All』をアカペラで披露してくれて、参加者一同そのパフォーマンスに感動しきり。
そして更には松尾さんの盟友でもあり、国内のHip-Hopムーブメントの魁として知られるラッパーの「K DUB SHINE」さんが登場し、プロデューサーとしての「クライヴ・デイヴィス」の手腕に対する評価や、レーヴェルの栄枯盛衰であるとか、音楽ビジネス全般について彼独自の深い考察をロジカルに披露してくれ、こちらも大変勉強になりました。
後半の終盤には、恒例となった「TOP-20」のカウントダウンがあり、マチュアで和やかな雰囲気の中で授業は終了しました。
終演後には、「松尾さん」とすこしお話ができたこともあり、僕自身にとっても大変有意義な第3回の授業となりました。
以下は、松尾さんがご自身の Twitter にUPしてくださった、当日の【Whitney Houston – メロウTOP20】です。
個人的には、二人とも自分と「同学年」である「ホイットニー」と「ジョージ・マイケル」のデュエット曲『If I Told You That』であるとか、特筆すべきは彼女の晩年にあたる低迷期に発表されたとはいえ「美メロ」なナンバー『One Of Those Days』に至っては、やはり「松尾さん」でしかチョイスできないような「他にはない」オリジナルな選曲集となっています。『One Of Those Days』の Music Video には、今後の夜間授業でも登場予定の『ロナルド・アイズレー』がほぼ共演に近いかたちで出演していたりと、映画「ボディーガード」(原題:The Bodyguard)では全くもって伝えきれなかった「ホイットニー」の真の魅力を伝えるという意味においては、彼女にとっての最高傑作映画『ため息つかせて』(原題:Waiting to Exhale)の有名なシーンをオマージュした Music Video に、往年のファンは皆むせび泣くしかありません。
映画『ため息つかせて』(原題:Waiting to Exhale)は、Amazon Prime Video でも、確か¥300程で視聴できたはずなので、観賞を逃された方もまた観ようかなという方も、ぜひご覧になることをお薦めします。観ていただければ、なぜ松尾さんがあれほどまでに映画「ボディーガード」に対してちょっと手厳しい対応をされたその「真意」を、きっとお分かりいただけることでしょう。『I Will Always Love You』が実はちょっと苦手な僕は、松尾さんの意図するところが、とってもよく理解できましたので。
余談になりますが、そうですねぇ、昔から「Black Music」つまりは「黒人音楽」と呼称されるカテゴリーの音楽を、長いこと聴き続けていると、それは「米国」という国そのものが持つ「陰」の部分の悲しい歴史を、遡って知る必然性が出てきますね。「R&B/Soul」であれ「Jazz」であれ、これはもう避けて通れない、そして最低限知っておかねばならない、過去や歴史を探求する道程でもあるわけです。
平たく表現するのであれば、ホイットニーが「ボディガード」という映画に主演するにあたり、嫌でも対峙することになった「アフリカン・アメリカン」として破格の成功を収めた一人の女性としての「存在意義」というか、それこそ「ソウル(魂)」という「アイデンティティ」の在り方に、松尾さんは思い切って言及されたのだと、僕自身はそんな風に理解を深めました。
当日参加したくてもできなかった全国の多くの「メロ夜」リスナーの皆さん方の為に、全てカウント・ダウン形式で「YouTube 動画」による「プレイ・リスト」を編集させていただきました。よろしければ、どうぞご鑑賞ください。
第3回『松尾潔のメロウな夜間授業』ホイットニー・ヒューストン編を受講されたみなさんに心からの感謝を込めて、極私的メロウTOP20をあらためてご紹介。
次回は2/17のキース・スウェット。これまでを上回るメロウ度になること間違いなし。どうかお楽しみに!#メロウな夜間授業 #メロウTOP20#松尾潔 pic.twitter.com/DHJDrZQPTh— 松尾潔 (@kiyoshimatsuo) January 22, 2020
『松尾潔のメロウな夜間授業』【Whitney Houston – Mellow TOP 20】
「Whitney Houston」関連の『過去記事』では、ホイットニーの主に初期の作品で関わったプロデューサー「KASHIF」や「Michael Masser」なども取り上げております。ご興味のある方は、よろしければご一読ください。
次回の「松尾潔のメロウな夜間授業 〜R&Bの愉しみ〜」は
第4回 2/17(月)『キース・スウェットと「ニュー・ジャック・スウィング」』
です。