「なんで・・」 「またかよ・・」
この二言しか言葉が出てこなかった。
またもや偉大なアーティスト・ミュージシャン・ヴォーカリストである、あの The Manhattan Transfer(ザ・マンハッタン・トランスファー)の 創始者でありリーダーのTim Hauser(ティム・ハウザー)氏が、10/16に遠く米国はペンシルヴェニアの病院で静かに息を引き取ったとのニュースが届いた。死因は肺炎による心肺停止程度の発表しかないようで、詳細はわからない。72歳だったそうだ。そういえば、ここ5年ほどアルバムのリリースもなかったみたいだ。
(彼らのグループ名は、ジョン・R・ドス・パンスの1925年の小説「Manhattan Transfer(マンハッタン乗換駅)」に由来)
先月、ジョー・サンプルの訃報の記事を書いたばかりだっただけに、こうも若い頃に大きな影響を受けたアーティストが次から次へと夜空の星となっていくことに、仕方のないこととはいえど彼らの死をなかなか簡単に受け入れることができないでいる、どこか分からず屋の自分がいるようでならない。
通称『マントラ』を聴いて、「アメリカにはアカペラですごいコーラスを聴かせるグループがいるんだ」と認識した10代の僕は、一時期相当彼らのアルバムを聴きこんだものだった。20代半ばでNYマンハッタン島の地を初めて踏んだ時には、24時間運行する地下鉄を乗り換えて(Manhattan Transfer )、夜な夜な Village 周辺の Jazz Club をハシゴして、滞在中は本場のJazzにどっぷりと浸った。インターネットもパソコンもスマホもない時代、『Village Voice』紙面のライブ情報だけが唯一の頼りだった。もちろん『マントラ』のライブも探したけれど、残念ながら見つけることはできなかった。どうしてもライブで観たいヴォーカル・グループであったことは言うまでもない。もちろんこのブログ内でも何度か記事で取り上げてもいる。
今宵は、彼らの名演と評価されて久しい2曲のアカペラによる作品を聴きながら、ティムさんのことをひとり静かに追悼しようと思う。
The Manhattan Transfer / “A Nightingale Sang In Berkley Square”
(album: Mecca for Moderns – 1981)
The Manhattan Transfer / “The night that Monk returned to Heaven”
(album: Bodies And Souls – 1983)
セロニアス・モンクに捧げたこの曲も、今となってはティム・ハウザー氏自身がその立場になるなんて、この時点では夢にも思わなかったことでしょう。
合掌
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The Manhattan Transfer
(album: Mecca for Moderns – 1981)
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The Manhattan Transfer
(album: Bodies And Souls – 1983)