いつもご訪問ありがとうございます。
「時代は巡る」とよく言いますが、音楽の流行でもそれは当てはまることが多いもの。あちこちの音楽好きな方たちのブログやSNS、或いはラジオ番組等々で、最近1980年代の音楽を特集してたりするのを目にする数機会が増えてきました。
たまたま今日帰宅してから、アナログ盤が収納されているクローゼットの中のレコードラックを漁っていたら、80年代モノが出てくるわ出てくるわで、あれも聴きたいこれも聴きたいで、もう時間が取れなくて困ってしまいました。アナログ盤はですね、デジタルではないので、手の掛かる子供みたいなものなんです。
今でもそうですが金銭的に余裕のない若い時分に買ったレコードというものは、ご同輩の皆さん同様に、50代後半になった今でも大切な宝物です。貧乏性の僕は、「レコ・ジャケ」が劣化するのが嫌で、当時「TOWER RECORDS」で入手した専用のラップ・カッターでそーっとシュリンク・ラップをカットしてから保管する、小心者のコレクターでしたので、ご覧の通り、1987年リリースのこちらのアルバムも、なんと「33年間」そんな状態を保っています。(ラップ上のシールはカビが生えてしまい少々お見苦しいですが..)
で、発見したのはこちら、『Doc Powell』(ドク・パウウェル)が過去にリリースしてきたアルバムの中でも、一番フェイヴァリットなソロ・デビュー・アルバムの『Love Is Where It’s At』。過去にも「メロウなギター弾き」のアーティストを数名取り上げてきましたが、まだまだ全然紹介しきれていないことに、改めて気付きました。因みにこちらは、1980年代後期のミュージック・シーンの特徴をよく語ることができる作品で、この頃は僕の大好物の「Jazz/Funk/Fusion/Soul/R&B/Black Contemporary」といったいわゆる黒人音楽に源流を持つカテゴリーのミュージシャンやアーティストが、いとも簡単にそのジャンルの垣根を越えて、文字通り「クロス・オーバー」していたとても興味深い時代でした。その証拠に、画像をご覧の通り、このアルバムには今は亡き「Luther Vandross」とそのツアーメンバーの「Lisa Fisher」「Kevin Owens」らががっちりとコーラスを固めていたり、もちろんルーサーの盟友「Marcus Miller」も参加と、それはそれは贅沢な内容のアルバムでした。
中でも「マーカス」ではなくて「トム・バーニー」のぶっ太いベースのイントロが鮮烈な『Bad Times』、そして『What’s Going On』のカヴァーは、世の中に星の数ほどあるインスト・カヴァー作品の中でも、いちばん好きなアレンジの作品でした。権利の関係からだと推測できますが、YouTubeなどからは初期作品の動画は残念ながら削除されてしまっているようなので、Official より2曲ほどご紹介。
Track-1: Love On Top
Track-2: He Never Sleeps
(from Doc Powell Official Music Video)
うーんメロウですねぇ。最高です。
そして、過去記事でも何度かご紹介させていただいた、3人のプロデューサー・チームによる Super なユニット『X-CHANGE』[Masaya Wada (vocal) / MANABOON (Keyboards) / Sho Kamijo (Guitar)] の、まだご紹介できていなかった「第3の男」、『上條頌』さんをご紹介しておきたいと思います。
上條さんはなんと、20歳の時に単身LAへ渡米して『Doc Powell』に師事した直系の愛弟子さんだそうです。よーく聴くとと言うよりは、実際に一聴すればお二人のサウンドやプレイ・スタイルには多くの共通点が見受けられます。とにかくMellow で Groovy な音色が特徴的。
昨年秋にリリースされた「CHEMISTRY」のアルバムに収録の、『X-CHANGE』名義でプロデュースした『Angel』の哀愁を帯びた印象的なギターのイントロで、多くのリスナーの心を掴んだのは記憶に新しいですね。
そんな上條さんですが、現在「長野市芸術館レジデントプロデューサー」といった肩書をお持ちのようで、Twitter を拝見しましたら、僕も個人的に縁が深い「長野市」、そして「長野市芸術館」のために最近制作されたという楽曲、『The Music Place』をお披露目されていました。
こちらは、80年代にFUSION音楽を聴きまくった世代の方にとっては、もう小躍りしてしまいそうなくらいのたまらないギター・フュージョン・サウンドの作品となっており、師匠の『Doc』さんと共に、どうしても紹介しておきたいと思いました。「和田」さんも「MANABOON」さんもマルチな才能をお持ちですが、「上條」さんのセンスも才能も尋常ではありませんね。『The Music Place』、みなさんも、ぜひ聴いてみてください。この極上の Groove と Cutting を体験しないのは、あまりにもったいない。
長野市芸術館レジデントプロデューサー上條頌です!!
長野市、そして芸術館のために作ったThe Music Placeを演奏しました!
良かったら見てね!! https://t.co/kCaSoyItry— 上條 頌 (@shokamijo) May 21, 2020
【MV】Sho Kamijo / Love U Love U
(album: Let’s Go Together – 2015)
そしてこちらのメロウなMVのバンドメンバーには、エロピに「MANABOON」さん、ドラムスは若手#1のT-SQUAREの「坂東慧」さん、そしてコーラスにはNY「アポロ」のアマチュア・ナイトでファイナリストとなった「高橋あず美」さん、ですね。国内屈指のこれだけの実力派アーティストが揃うと、実に壮観です。
__________________________________________
追記:この記事を投稿した後に、「X-Change」の和田さん・MANABOONさんを介するようなカタチで、SHOさんとの交流があり、3か月後の8月下旬、『Doc Powell』(ドク・パウウェル)氏の貴重なソロ・デビュー・アルバム(アナログ盤)の『Love Is Where It’s At』は、めでたく「SHO」さんの手元に渡ることとなりました。これは本当に嬉しい出来事でした。
33年間僕が大切にしてきた、1987年リリースの「ドク・パウエル」氏の記念すべきソロ・デビュー1stアルバム (アナログ盤) は、「本来所有すべき価値のある人」であり、愛弟子である SHO さんの元へ先日旅立ちました。
大切にディスプレイされた師匠の作品群の中に加えていただき、大変嬉しく思います。 pic.twitter.com/Nudk1ScAuO— Mellows ANNEX (@Mellows2011) August 25, 2020