穀物や野菜等農作物への影響が不安視される、天候不順が続いた8月の関東地方でしたが、間もなく夏も終わりを迎えますね。
ここで残念な訃報を一つ。7月最後の31日、米国はNYをベースに、かつての「FUSION」、今で言うところの「Smooth Jazz」のカテゴリーに於いて、長らく第一線で活躍していたギタリストでありプロデューサーの Chuck Loeb (チャック・ローブ)が、ここ数年間患っていた癌で逝去しました。1955年生まれ、まだ61歳だったそうです。
フュージョン全盛時は「Steps Ahead」で、最近では「Bob James」率いる「Fourplay」への参加、そしてプロデュース業と平行して自身のアルバムをリリースと、病気と闘いながらの音楽活動を余儀なくされていました。
振り返ってみれば、ずっと長いこと聴いてきたアーティストにしては、このブログでの紹介は彼が過去にプロデュースした「Donald Harrison」の作品を一度取り上げただけでした。ジャズ・ギターのレジェンドでもあるジム・ホールから直接指導を受けるなどした、その卓越したテクニックによるチャック特有のギターの音色には、いつも人柄を窺わせる優しさが漂っていたように思います。
前作より3年振りの2016年にリリースされ、遺作となってしまったアルバム『Unspoken』より、心穏やかになるアルバムタイトルでもあるハート・ウォーミングな楽曲『Unspoken』を聴きながら、追悼いたしましょうか。そうそうたる参加アーティストの中でも、中盤で入ってくるブライアン・カルバートソン (Brian Culbertson)のピアノ・ソロの音色が、まるで花を添えるかのように、ひたすらに美しい作品となりました。
Chuck Loeb “Unspoken” – featuring Brian Culbertson
(album: Unspoken – 2016)
チャック・ローブのギターの音色は、「濃淡」の差こそされ、いつまでも「Ever Green」であることには違いありません。
R.I.P. – 安らかに眠れ