日の出も遅ければ、日没も早く、「冬至」までの長い夜を実感する今日この頃です。ただこの時期の日没直前~直後の数分間に訪れる「ブルー・モーメント」の美しさには、言葉を失ってしまいそうな感動がありますね。「クリスマス寒波」のひとつ前段階の一級の寒気団が、列島を覆いつつありますが、皆様風邪などお召しではありませんか。どうか温かい珈琲をお供に、音楽でも聴きながら一息入れてください。
今年で7シーズン目となる冬の特別企画「Mellow なクリスマス・ソング」ですが、第8夜となる今回は、「Chaka Khan」(チャカ・カーン)の作品を取り上げます。チャカといえば、アレサ・フランクリンと並び、SOUL/R&Bの世界ではもうその代表格といえる存在なのは、誰もが認めるところです。
女性の年齢を言うのもなんですが、今年で64歳となるチャカは、僕とちょうど10歳違いということもあり、自分が黒人音楽に興味を持ち始めた頃からずっとシンクロして、彼女の音楽と共に歳を重ねてきたような印象が強く、ある意味僕自身にとっては「別格」な存在のアーティストといえます。
伝説的な FUNK BAND「RUFUS」(ルーファス)の紅一点のヴォーカルを務めていたデビュー当時から、R&B/Jazz/Funk/Soul/Disco/Gospel/Adult Contemporary と「Black Music」のカテゴリーの枠を楽々と飛び越え、自由自在に行ったり来たりできるフレキシブルさを備えているシンガーはそうそういるものではありません。故に僕にとっては「チャカ・カーン」その人が、『Queen of Soul/R&B』であることは揺るぎない事実なのであります。
前回の「Vol.7」でも取り上げた「Jermaine Dupri」(ジャーメイン・デュプリ)プロデュースにより製作されたジャーメイン名義の Holiday Album、「12 Soulful Nights of Christmas」から、そんな「チャカ」がヴォーカリストとしてフィーチャされた『Christmas Only Once a Year』をLive versionでお楽しみください。
Chaka Khan~ LIVE ~ “CHRISTMAS ONLY ONCE A YEAR”
(album: 12 Soulful Nights of Christmas – 1996)
彼女の世界的な大成功を収めた1984年リリースのアルバム「I Feel For You」に収録され、日本のファンの間でも最も愛されているバラッド・ナンバー『Through the Fire』を髣髴させる、チャカならではのスケール感を持った美しいバラッドに仕上げているのは、ジャーメイン・デュプリの見事なプロデュース力といえるのではないでしょうか。