12月に入って、震災以降の節電の影響もあり、少なくなったとはいえ、街のあちこちでクリスマスのイルミネーションが見られる季節になってきました。
昨年も数曲取り上げましたが、今年も懲りずにいくつか、この時期ならではの音楽をご紹介したいなと思っています。
キリスト教を主に信仰していない日本や諸外国において、どんなに年々クリスマスのムードが高まってきても、なかなかリリースされることがないのが、いわゆる大物アーティストによる『HOLIDAY ALBUM』ですね。『HOLIDAY ALBUM』というのは、日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米では多くの大物ミュージシャンが毎年のようにクリスマス・ソングばかりを収録したアルバムをリリースしています。すごいのは、「ROCK」とか「Classic」のように、『HOLIDAY』という一つのカテゴリーを確立しているところです。POPS から R&B からJAZZ などあらゆるカテゴリーで、「これでもか、これでもか」って勢いで、例年量産されてくるので、クリスマス・ソングの多くが「世界的なスタンダード」として持ち合わせている資産価値ってすごいことなんだな、と毎年この時期になると感心させられるものです。『HOLIDAY ALBUM』を発表できるようになれば「一流」アーティストの仲間入り、などと言われたりするのも、そんな理由からなんでしょう。
そこで、今年の第一弾は、Jazz界で活躍する、男前でもちろんテクニックも最高のこの人、Chris Botti(クリス・ボッティ)のこの一曲をご紹介します。
“Have Yourself a Merry Little Christmas” については、昨年過去記事で Luther Vandross(ルーサー・ヴァンドロス)のメロウなヴォーカル・ヴァージョンを紹介しておりますが、原曲のメロウな美しさが手伝って、クリスの抑制の効いたトランペットのミュート・プレイが、さらに感動を呼び起します。
深夜、空気の澄み切った星空を窓辺から眺めながら、大きめのマグカップに注がれた熱いくらいの珈琲でも掌で包み、じっと聴き入りたくなるような、そんな一曲です。お楽しみ下さい。
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