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『優しい時間』

 

お店が閉店することもあって、沢山のお客様にご来店いただき、懐かしくお元気そうなお顔を拝見するにつけ、なんだか自分のしてきたことの影響をジワリと感じる、ここ数日です。

そんな中、今年の3月に僕が被災地での珈琲ボランティアのサポートに出向いた際に、今後の活動費をご寄付いただいたお客様も久しぶりにご来店いただきました。震災直後より活動を 継続している、被災地でのボランティア・カフェ『スマイル』さんですが、マスターは現在も毎月定期的に現地に赴かれて、仮設住宅脇のスペースで、変わらず珈琲を無料でサービスしていらっしゃいます。当店の大切なお客様よりお預かりしたご寄 付については、珈琲豆の購入等に大切に遣わせていただいておりますのでご安心ください。この場をお借りして、店主より代わってお礼を申し上げます。僕もお店の方が一段落したら、いずれまたご一緒させていただければと思っています。

さあ、泣いても笑っても、いよいよ明日で cafe Mellows の営業も終了となります。
寂しさも、その他諸々の感情がない交ぜになり、うまく心境を言葉にすることができません。

ところで皆さんは、今から7~8年前に民放で放映された「倉本聰」さん脚本の連ドラ『優しい時間』をご覧になったことがあるでしょうか。
「北の国から」「風のガーデン」と並んで、いわゆる「富良野三部作」と呼ばれる作品群のひとつですね。主演の「寺尾聡」が演じる主人公「涌井勇吉」が、亡くなった奥さん(大竹しのぶ)の故郷の北海道・富良野の森の中で営む喫茶店「森の時計」で、日々起こる出来事と「嵐の二ノ宮クン」演じる息子との親子関係の修復の過程を軸に、毎回ストーリーが展開されていくといった、とっても心が温まる素敵な作品でした。
このドラマのマスター役であった寺尾聡は、ほんとに不器用で、えらく頑固者で、でもひたすらに優しい人物像を、素敵に演じていました。僕にとっては、ある意味憧れの父親像でもあり、目指すべき喫茶店のマスター像でもありました。

 

 

ドラマのシナリオのようなストーリーではなくとも、この場所で皆さんと共有できた穏やかで『優しい時間』は、メロウズにとっても僕にとっても、宝物のような時間でした。できることなら、もっともっと一日でも長くそうしていたかったのですが、ものごとには始まりがあれば、終わりがあるもの。勝手を言って申し訳ありませんが、どうかご容赦ください。

このドラマで使われた主題歌は、平原綾香が歌う『明日』でした。
今まさに営業を終えようとしているお店と僕の立場を代弁してくれているようで、なんだかやけに詞が心に染みてきます。
この曲で、“cafe Mellows” をこれまで可愛がってくださった皆さんに、『心からのありがとう』をお伝えできればと思っています。

 

【明日】  歌:平原綾香 / 詞:松井五郎 / 曲:アンドレ・ギャニオン

ずっとそばにいると あんなに言ったのに
今はひとり見てる夜空 はかない約束

きっとこの街なら どこかですれちがう
そんなときは笑いながら 逢えたらいいのに

もう泣かない もう負けない
想い出を越えられる 明日があるから

そっと閉じた本に 続きがあるなら
まだなんにも書かれてない ページがあるだけ

もう泣かない もう逃げない
なつかしい夢だって 終わりじゃないもの

あの星屑 あの輝き
手を伸ばしていま 心にしまおう
明日は新しい わたしがはじまる

 

夢の続きの『第二章』があるのなら、またいつかどこかで、再会できたらうれしいです。
それまで皆さん、どうかお元気で。

ありがとうございました。

 

カフェ・メロウズ 店主

 

※ cafe Mellows の営業は、明日11/25(日)で終了となります。