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Mellow Tunes ~ Vol.164【”The Manhattan Transfer” is Back !】

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関東地方では雨が10日以上も降らないせいもあり、まだ4月に入ったばかりだというのにまるで初夏のような気温上昇も手伝い、早すぎた「サクラ」の開花だったとはいえ、例年以上に長く「お花見」を楽しむことができたようです。でもそろそろ、植物たちにとってはお湿りも必要な頃です。

 

 

「サクラ前線」が北上すると共に、こちらでは風に吹かれ地に舞い落ちる淡いピンク色の花びらたちが、寂しげに地面や道路を覆い始めました。

 

 

それにしても暑い。いきなり夏日は体に堪えるってもんです。何事も順序良く程々がよろしいかと。
気温が上昇した今日、湖岸沿いの水辺にある大きな総合公園では、「お花見」ついでに早くも「涼」を求める人たちがいっぱいで、皆気持ちよさそうに南風に吹かれていました。

 

 

“The Manhattan Transfer” is Back !
僕らの世代では、Jazz Vocal グループといえばこの人たちをおいて他には考えられない、あの「マントラ」こと「マンハッタン・トランスファー」が、3/30に米国内で待望の New Album 『THE JUNCTION』をリリースし、期待の大復活を遂げました。当ブログでも、過去に「The Manhattan Transfer」の記事を何度か取り上げてきました。2014年の10月に、グループの偉大なFounder であった「Tim Hauser」(ティム・ハウザー)氏が逝去して以来、新譜のリリースはありませんでした。ティムの後釜としてグループに加入した「Trist Curless」(トリスト・カーレス)を伴って、ここ数年は世界中で小規模なライブ活動を行っていたのは知ってはいたのですが、ならば「新譜」はいつ出すのだろうと、いつも気にはしていました。オリジナル・アルバムとしては、2009年にリリースの「The Chick Corea Songbook」以来なので、なんと9年振りの新作ですから、期待しないわけにはいきません。

 


The Manhattan Transfer – “Cantaloop (Flip Out!)”
(album: THE JUNCTION – 2018)

 

9年振りのニュー・アルバム「10曲」と厳選された作品群の1stトラックとして選ばれたのが、『Cantaloop (Flip Out!)』という作品。タイトルを見て「あれっ」と思われた往年のモダン・ジャズファンの方々もいらっしゃることでしょう。90年代初頭に英国・ロンドンで結成された「JAZZ HIP-HOP」ユニットである「US3」(アス・スリー)は、新たな時代のカテゴリーとしての「JAZZ」と「HIP-HOP」の融合にチャレンジする彼らを応援すべく、名門「Blue-Note」からレコードの音源を自由にサンプリングすることをオフィシャルに認められていました。彼ら「US3」の一枚目のアルバム「Hand on the Torch」(1992)にクレジットされた、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)のアルバム『Empyrean Isles』に収録されたジャズの不朽の名作スタンダード『Cantaloupe Island』をサンプリングした『Cantaloop (Flip Fantasia)』は、まさに「JAZZ HIP-HOP」という新たな境地を産み、驚きと賞賛を持って時代に受け容れられ、当時世界中でヒットしました。

 

01 – US3 – Cantaloop (Flip Fantasia)
02 – Cantaloupe Island feat. Herbie Hancock / Blue Note Concert Live

 

今回、New Album の1stトラックとして「マントラ」がチョイスしたのが、その作品というから、二度びっくりといったところではありますが、「もうこれはスゴイ!」と手放しで絶賛するしかないほどの仕上がり振りに、正直参りました。約10年近いインターバルがあったのと、偉大なリーダーだったティム・ハウザー不在という一抹の不安は、この作品を一聴しただけで払拭されることでしょう。「マントラ」万歳、新加入のトリスト・カーレス氏は故人となったティムの大きな穴を埋めるだけの才能豊かなタレントであることは、もう十二分に証明されていますね。本当に嬉しい復活となりました。

しかしこうして改めて現時点での「マントラ」のメンバーの積み重ねてきた長いキャリアに裏打ちされた、コーラスの厚みであるとかスキャットのテクニックを目の当たりにすると、若手ア・カペラ・コーラス・グループで人気上昇中の「Pentatonix」(ペンタトニックス)なども、もう太刀打ちできるレヴェルではないほどの、大人の貫禄に降参するしかありませんね。いやあ、すごいカヴァーとなりました。