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桜よりも大切なもの

近隣ではあちこちで「桜まつり」らしきものが盛んに行われているようですが、相も変わらずお店の仕込みや雑事に忙殺されている自分の状況に、好きで始めたこととはいえ、ときには誰かにグチをこぼしたくなることもあります。本来くつろぐためにカフェまでわざわざいらしていただいたお客様に、いくらお馴染みになったなったからといって、そんな話を持ち出すのは、オーナーとしてルール違反とも言えるでしょうね。聞き役になっていただいたご常連のお客様、すみません。(汗) 単独ですべてを切り盛りしていると、抱えている問題を誰にも相談できず、時として精神的に追い込まれることが多々あるものです。そんなときは、やはり視点を少し変えて、別の方向から現状を見てみるのがいちばん効果的なのかもしれません。

さて『桜』の花も可憐で素敵ですが、僕にとってはもっともっと大切なものがあるんです。
それは、実は『もみじ』の木であり葉っぱの存在なのです。
当店をご利用いただいたことのあるお客様でしたら、お店の看板等のロゴの端っこに「もみじ」の葉っぱが数枚デザインされているのに、お気づきになった方も多いと思われます。時折、「なぜ、もみじなんですか?」とご質問をお受けすることもありますので、いい機会ですのでご説明させていただきます。

 

 

誰しもそうだとは思いますが、これまで僕も人生の節目において、幾度となく心が折れそうになったことがありました。その度に、ピンチを救ってくれたのが、僕がこの道を目指すきっかけとなった軽井沢にある喫茶店の窓辺から見上げる「もみじ」の存在でした。お店の名は「こもれび ~ ばおばぶ ~ ふりこ茶房 (現在)」と変わってきましたが、流れている時間や空間そしてポリシーは、30年前と変わらぬままそこにずっと息づいています。マスターやスタッフの方々はもちろんのこと、その「もみじ」に会うために、当時まだ高速道路が整備されていなかった時代でしたので、何度も何度も碓井峠を越えて訪ねて行ったものでした。
会う度にどんどん大きく成長するその「もみじ」の木や葉っぱたちに、苦しいときほど『ダイジョウブ』と、優しさでそっと包んでもらい、安心して下界に戻ったものでした。

 

「喫茶ばおばぶ」時代の窓辺より

以来、「もみじ」という木や可愛らしい葉っぱたちは、僕の中で特別な存在となってゆくのでした。そう、『心のよりどころ』といったような表現が、もっとも適切かもしれません。

そんな事情から、ロゴにも取り入れることになり、青もみじの葉っぱが成長し、命を全うして赤もみじとなって散るまでは、Mellows のスウィーツのお皿にそっと添えられることになっています。ちっぽけなことと思われるでしょうが、当店の最大のこだわりであり、目にしたお客様おひとりおひとりが、それによって心が癒されることがあれば、葉っぱも飾られた甲斐があったというものでしょう。

 

 

造園屋さんにお願いして敷地内に数本植えていただいたもみじの木々に、早く「青もみじ」の葉がワサワサと茂らないかと、心待ちをしている今日この頃の自分がいます。そしたら、きっと勇気百倍、エンジン全開で頑張れそうな気がします。(笑)

 

信州・川中島古戦場の青もみじ

 

 

もうちょっと

【追記】
そうこうしている内に、今日夕方になって、Mellows のもみじをはじめとする雑木の植栽を一手に引き受けてくださった、「ひたち野うしくガーデン」の若社長のケンちゃんが、越冬した雑木たちの様子を見に来てくれました。一部の木はことさら寒かったこの冬を、越すのが困難だった様子が伺えるとのことでした。ただ肝心の「もみじ」にいたっては元気な様子で、あと1~2週間で青々とした葉っぱで一気に埋め尽くされるとのことでした。
今現在はデッキから道路が丸見えですが、それもあと数週間で何種類もある雑木たちの葉っぱで一斉に覆われるとの、嬉しい診断結果となりました。
今からそれがほんとに楽しみです。