「あなたの夢は何ですか」 【モノローグ】

年頭に引いてこじらせた風邪も、ようやく身体の中から退散していったようで、やっと本来のペースに戻れそうだ。

ヨーロッパでのクリスマス・ホリデーの間に開かれるサッカーの移籍市場、いわゆる冬の「カルチョ・メルカート」で日本代表の本田圭佑「セリエA」の名門『ACミラン』に移籍をしたのは、日本国民であれば老若男女を問わずみんな知っての通り。
自分の言葉でしっかりと入団会見を終始英語でこなし、そして入団直後のリーグ戦では敗戦となったものの、途中出場とはいえ好機をいくつも創って見せた。そしてまた数日後のカップ戦「イタリア杯」では、格下相手とはいえ美しい初ゴールを決めて見せた。まさに「有言実行」のすごい男だ。

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幼い頃から大好きなことで明確な『夢』目標を持ち、それに向かって日々努力を続けることの大切さを、連日のようにメディアで報道される彼の「小学生時代の作文」や移籍会見時の『一つひとつ階段を上っていけば、いつかは夢が叶うと子どもたちに伝えたい』といった力強いメッセージは、将来プロサッカー選手を目指す子どもたちだけでなく、すでに夢を忘れかけた多くの大人たちの心にも強く響いたのではないだろうか。『あなたの夢は何ですか?あるいは何だったんですか?』と、実に沢山の人々の心に訴えかけ、ドキッとした人も多かったのでは。

知っての通り、本田のサッカー選手としての経歴は順風満帆というわけではない。才能ももちろんあったのは間違いないが、恐らく努力が9割で今の立場を築いたであろうと思えるほどだ。
『オランダで約3年、ロシアでの4年間は遠回りだったけど、それがあって今の自分がある』
本田圭佑は言う。World Cup で過去4度も優勝をしているサッカー大国であり「カルチョ」の国であるイタリアのトップ・クラブでエース・ナンバー『10』を背負うことを自らリクエストし、それを受け入れられるだけの存在までに自分を高めたその「努力」は並大抵のことではなかっただろう。そして、その弟の夢の実現のために、FIFAの代理人ライセンスまで取得して世界中を東奔西走し、交渉に当たった元プロサッカー選手でもある彼の兄・本田弘幸氏の存在を無視することはできない。ここでは商業的なことに言及するつもりは毛頭ない。なんと素晴らしい兄弟愛ではないだろうか。

人生には紆余曲折がつきもの。すんなりと行く人は一握りの人間だけ。誰もがみんな本田のようになれなかったとしても、夢や目標を設定し努力を怠らず、そして最も勇気を必要とする「チャレンジ」をしない限り、失敗はおろか成功は100%ありえない。たとえ上手くいかなかったとしても、失敗から学ぶことは山ほどあるものだ。

いよいよウチのセガレたちの受験が始まろうとしている。目標を掲げそれに費やした時間や辛く苦しい思いなどは、二人が大好きでこれまで続けてきたサッカーで培ってきた体力や精神と同様に、将来自分たちの血となり肉となって、やがて我が身を支えてくれるであろうと思う。
だから二人とも自分を信じて、「ガンバレ」