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雨の風景と「秘密基地」 【モノローグ】

関東甲信越地方が梅雨入りした。なんだか例年よりちょっと早い入梅のような気がしてならない。
今日もずっと一日雨降りだった。
梅雨寒のこんな日には、淹れたての温かい珈琲が何よりのご馳走だ。
「雨の日」は景色がいつもと違って見えるから、この季節が幼い頃から決して嫌いではない。珈琲をすすりつつ、YouTube で「rain」というワードで動画を検索してみた。すごい。数時間も「雨音」や「雨の風景」を録音・録画したりした作品が、それはそれは世界中から沢山UPされている。やっぱり「雨音」に癒し効果があるのは、洋の東西を問わないみたいだ。
いくつか視聴した中に、気になる作品があった。一時間に渡って収録された優しい「雨音」も「BGM」も、なぜだか遠い遠い幼い頃の記憶を甦らせる。

 


Relaxation Music – 1 Hour Gentle Rain Meditation

 

小さい頃から「秘密基地」と言っては、ボロボロになった板切れだとか木の枝だとかいろんな材料を集めては、一歳上の兄やすぐ近所に住んでいた従兄弟たちと、そんなワクワクするような自分たちの「隠れ家」みたいなものをよく造っては遊んでいた。いつだかははっきり覚えていないけど、小学校の低学年の頃だったと思う。雨の季節に、近所のデンキ屋さんから大型冷蔵庫がウチに運ばれ来た。僕は冷蔵庫の方はどうでもよくて、冷蔵庫が収納されていた巨大で分厚くて丈夫な段ボールの空き箱の存在が気になってしかたなかった。なんとかデンキ屋さんに頼みこんで、軒下に置いていってもらった。

imagesその日から、横に倒した大きな段ボール箱は、「僕らの」というよりは「僕ひとりの」大切な「秘密基地」になった。学校から帰るなり、玩具だとかマンガ本だとか、とにかく大事なものをみんなその基地の中に持ち込んで、駄菓子を食べたり居眠りしたり、小さな「のぞき穴」を開けてそこから外の様子をボーっと眺めたりしていた。そんな狭い空間の中で、海外の短波放送が聴けるラジカセからの雑音混じりの洋楽やカセットから流れる「カーペンターズ」は、とても愛おしい時間だった。そしてその小さな穴から見えたのは、確かにこんな雨の季節の風景だった。ボロボロになって、今は亡き両親に処分されるまで、その段ボール箱の「秘密基地」をずっと大事にしていたっけ。

雨の日の想い出や記憶は、なぜこれほどまでに鮮明なんだろうか。今でも不思議でならない。