「音楽なしには生きられない」「人生には音楽はつきもの」
10代の若い頃からお世話になってきた Tower Records の誰でも知っている有名なコピーですが、あまり深く考えないでもおおよそのところ、まあそんな意味合いなんでしょう。
店舗で利用するAudio機器類のチェック中 Player は米国人、Speaker は英国人です
つい2・3日前に、これまた若い頃はよく足を運んだ、六本木に出現して以来破竹の勢いで地方にも出店を続けたCDショップ ” WAVE ” が破産したとのニュースが飛び込んできました。正直、音楽との付き合い方や楽しみ方の急激な変化に、ソフトを供給する側が追い付いていけなくなるという事態が、代表的なところでは米国のApple社から始まった『配信』という現象によって、引き起こされているのは周知の事実ですよね。事実大変便利なシステムではあるし、僕自身も iPod (それも160Gの重いclassic)無しではすでに生きていけない身体にというか生活になってしまっているように、自分が若い頃に想像すらできなかったほど便利で快適なものがこの世に存在していると言えます。なので、配信やそれを再生する数あるポータブル・オーディオ・プレイヤーについて、頑固爺よろしく、いい・悪いをここで論じるつもりは毛頭ありません。
ただ、ここ数日こうして僕のブログで Jazz のレコ・ジャケをちょっとUPするだけでも、日本だけでなく国外からもタイムリーにアクセスが頻繁にあったりします。それだけ、その作品に対する興味や思い入れがあったりする方が多いという証拠でもあり、タワー・レコードが提唱するように本来人々の傍らになきゃいけないはずの「音楽」が、どこか遠くに行ってしまったかのような錯覚さえ覚えがちな現代です。僕自身、一人のリスナーとしてどう音楽と付き合って行くべきなのか、時々「はて..」と考え込んでしまうことがあります。
僕も若い頃からずっと聴き続けており敬愛している山下達郎氏が、8/10に発表されたばかりの新譜について、所属のワーナー・ミュージックのサイトのインタビュー記事でこんな興味深いことを話していました。
「音楽は人を幸福にするためにある。でも人生は楽しいことばかりじゃないし、音楽が力になれないこともある。本当に悲しいとき、本当に辛いとき、音楽は無力です。35年間、そのことと向き合って歌ってきました」 「願いはいつも叶うものじゃない。人生はそんなに甘くない。でも、だからこそ助け合って生きていきましょう」
まあ、色々考えてもしかたないので、『音楽』という文字通り、アーティストが産み出した音の魔法をとにかく楽しんでしまうのが正解なんでしょう。作り手にとっても聴き手にとっても、きっとそれがいちばんなんだと信じます。
さあ、今日も暑いのでまたちょっと Cool なピアノサウンドを紹介します。半年くらい前に海外の “Smooth Jazz”(カテゴリーの呼称が嫌い!) 系のwebsite で知ったんですが、Renato Falaschi(レナト・ファラスキ?)というフランス人のJazz Piano player なんですが、正直ほとんど情報がありません。一聴していただければ分かるのですが、この水準でも国外でCDを売るというのが困難であるということを思い知らされます。なので、先に記したようにamazon とかの配信のみでしか入手できない状況です。
アーティストにとっては活動を維持するのが難しい時代といえますね。
Renato Falaschi / ” Travelling Lite ”
from the album ” Summer Rain ”
*音が再生されるまで10秒程かかるようです