白梅に想う 【モノローグ】

今日は実家のある埼玉の菩提寺にて、すでに他界した両親の法要があった。
父親は二十七回忌に、そして母親は七回忌にあたるのだけど、なんだかこの頃あまりに時間が経つのが早く感じられ、いつの間にか父親が他界した当時の年齢に近いところにまで、自分も来てしまったという現実に、なんだか複雑な感情を抱いた一日だった。

 

白梅

 

菩提寺の樹齢何百年だったかは記憶が定かではないけれど、数年前に世代交代されたご住職の言われた通り、今年も古木の梅の木の節から無数に伸びた若い枝から白梅の花が、ここ数日の暖かな陽気のせいで一気に咲き始めていた。

折りしも、あの東日本大震災からちょうど二年の月日が経とうとしている。高速道路も東北方面に向かうと思われる車でいつもより混雑していたような気がした。思えば、昨年の今頃は「珈琲ボランティア」を続けている知人のお手伝いで岩沼を訪れ、海岸沿いの地域で目にした光景に、あまりの衝撃で言葉を失ってしまったことを昨日のことのように思い出す。
被災地で大切なご家族を亡くされた方々にも、こちらからの「梅の便り」は届いているだろうか…
そんな想いがふと脳裏をよぎった。

 


Simon & Garfunkel / “Bridge Over Troubled Water” [明日に架ける橋]

 

ちょっとだけ実家に立ち寄った。
中学生の頃ヘタクソなアコースティック・ギターをかき鳴らして仲間と歌った「サイモン&ガーファンクル」の美しくて儚いこの曲が、なんだか頭の中でぐるぐるとリピートしていた。

上を、そして前を向いて歩こう。

 

 

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